湘南乃幽境

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いじめ問題考察①

~執筆の背景~

自分教育学科教育学専攻なもんで、大学1~3年くらいまでは少年非行や少年犯罪、いじめ問題なんかを専門に扱ってたのでそれを少しばかりお話ししようと思います。
とは言っても全部はとても書ききれないので、論点をざっと絞って【見過ごされがちな日常に潜む虐め】と【その発見・改善・減少への努力】について論じます。何故"撲滅"を目指さないのかと言うと、そんなことは人の手では不可能だからです。

何故そう考えるのかと言うと、
文科省による虐めの定義が、平成18年度に改訂されたこと。
具体的には、【強者から弱者に】【一方的かつ継続的に】【深刻な苦痛を与えているもの】とされていたものが、【一定の人間関係のある者から】【心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの】そしてそれは【虐めを受けた児童生徒の立場から判断する】と変更されたからです。すなわち、被害生徒が「虐められた」と感じればそれが虐めと判断されるため、同じ対応をしても"A君には虐めとなりB君にはならない"などということが起こり得るのです。
そしてそもそも
②"心"が深く絡む問題を根本的にどうこうできるほど人間は優秀な生き物ではない。ということが挙げられます。これは前述の例にも当てはめることができるでしょう。
では諦めるしかないのかと言うと断じてそんなことは無く、一人一人の心掛け次第で減らすことは十分可能なのです。


~いじめの構図~

昨今のいじめ事情を考察するにあたり、広く扱われている基本認識をご紹介します。それがこの"いじめの4層構造"です

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これはかつて森田洋司という先生が提唱し、形を適宜調整しつつ今日まで引き継がれている考え方です。これによると、いじめの現場において生徒は【いじめられる生徒】【いじめる生徒】【はやし立てる生徒】【目を逸らす生徒】に大別されます。また、図のように囲われているため被害生徒は助けを求めるのが困難となり、同時に加害生徒は"周囲が止めない"ということを肯定や暗黙の了解と捉えることで、いじめを更に助長させてしまう環境が整うとされています。

具体的な原因分析や対策まで一気に言及しては逆に読みづらくなりかねないので、"いじめ問題考察"シリーズとして少しずつ更新していくことをお約束して一旦ここで締めさせていただきます。
それと、論文書くつもりはないんで読みやすさ重視で口語体とかも使うし、この議題に正解とか無い(少なくとも僕はそう考えてます)んで最終的にどうまとめるかとか考えてません。(←おぃ)